鉄道車両メーカーの生産技術について

久しぶりの投稿ですが今回は生産技術の仕事内容について話そうと思います。

生産技術とは


 生産技術とは企業の工場や生産現場等において工場ラインの設計や管理を行う仕事です。
工場ラインの設計で分かりやすく言えば工場の敷地内においてどこでどの作業を行うのか
作業を行うにあたってどのような生産設備を設置して、何人の従業員をそこで働かせるのか
を決めたりします。管理については作業の仕方、製品の品質、作業時間、といったものを管理する ことで安く、早く、高い品質を持った生産体制を構築することが生産技術の仕事です。

 製造業、メーカーの職種では設計や研究開発みたいな部署がよくイメージされると思い、生産技術って何?みたいな感じかと思います。

 実際、私がいた大学の研究室の同期は大体メーカーの設計希望していて、生産技術の存在を知らなかったり、嫁や嫁のの両親に自分の仕事を説明するのにも中々理解してもらえず大変でした。(笑)

 話は戻りますが生産技術の仕事はどのように上手くモノを作れるか考えて実践すると思えばいいかなと私は思います。

鉄道車両メーカーの生産技術の仕事


先程は一般的な内容ですが、今回は私が勤務している鉄道車両メーカーの生産技術の仕事内容を例に具体的に紹介します。

治具、ゲージの作成


車両、車両部品を組み立てるための治具や部品を取付や形状確認のゲージを製作します。
治具とは、部品を受ける台みたいな物で治具の上に部品を固定し、組み立てていく事で製品を作ります。治具があることで安定して部品を置いてその上で他の部品取り付けや組立作業ができ、効率の良い作業ができます。

ゲージは部品の取付位置をケガいたり、形状を確認する時に必要な工具です。
部品の組立、取付の際、図面の取付寸法を見て、定規、巻尺で現物に寸法測定し取付位置に
印を打って取付作業を行う事ができますが、同じ車種の車両を量産する際に、毎回、図面見て定規や巻尺で測定するのはとても時間がかかります。
また定規で寸法測るにしても製品が複雑な形状していて測定が困難な場合があります。
このような問題を解決するためにもゲージと呼ばれる専用の工具が必要になります。

生産設備の設置

これは生産設備の新規設置や更新の検討、手続きをします。
車両製造の現場で例を挙げると溶接機、ロボット、加工機等があります。

設備の設置の際、他社製の既存品の購入をする場合もあれば、特注の生産設備を購入する場合があります。
このような仕事で大事なのは
検討の設備が実際に現場で使用できるかを判断することで例え高性能な機械や設備を購入しても、製造現場で使用できないとなれば話になりません。

購入する前に、使用できるか調査が必要です。
また費用対効果について意識するのも大事です。

更新の場合、ただ新しい設備を購入すればよいだけの話ではなく
・作業するのに必要な性能が含まれているか
・無駄な機能が多く含まれていないかオーバースペックになっていないか確認する

など確認、検討していってから導入する必要があります。

現場改善

 モノづくりの現場において早く安くモノづくりを極めていくことが大事で改善していく事でコストが下がり会社の利益、最終的には従業員の利益に繋がります。
 ですので現場の改善活動が大事です。とは言うものの現場作業者は日々の仕事で忙しくそういった活動するのに時間が割けない事もあるので現場に近い生産技術が対応する事があります。
 内容は様々で既存の設備を改造して生産能力や品質をあげるといったハード面の改善があったり、作業手順書を作って未経験の作業者に仕事を教えやすくするといったソフト面での改善も行います。

生産技術に向いている人

生産技術の仕事に向いている人について、私が生産技術の業務を通して思った事ですが話したいと思います。

コミュニケーションが取れる人

 いずれの仕事でも大事なことは1人で仕事をせずに人と話す事です。
治具や生産設備を使用するのは生産技術ではなく、これらを使用する現場作業者で彼らが使用できる物を用意しなければなりません。

 例え自分がこれが一番という治具を作っても、設備を購入しても、現場の人間が使用できないのであれば意味がありません。

 彼らの意見を聞いて治具や設備を用意することが大事です。

そういう意味では生産技術に向いている人はコミュニケーションを上手く取れる人だと思います。

モノづくりが好きな人

 これは生産技術にとても向いている特徴の1つだと思います。なぜなら私がそれで趣味で模型製作しているからです。最近はキットを買って組み立てるのではなく、自分で図面書いて材料を切断加工して組み立てる自作の模型製作をしています。

 こういった事をしているとあるものを作る際にどういう作業が発生し、どういう道具が必要になるかが考えて実践しているから生産技術の仕事と似たような事を趣味ベースでやっているからです。

最後に

 今回は以上となります。生産技術の仕事内容は奥深く今回紹介しきれなかった所がまだありますので思い付いたら書き直したり、別の記事で書こうと思います。

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