車両の構造について ~構体編~

鉄道車両のボディとなる構体について説明します。

・構体とは


鉄道車両の車体において台枠、骨組、外板などで構成された車体の強度を担う部分である。
すなわち、車体のうち機器、内装品、電線、台車を除いた部分に相当します。

構体を構成する部品について詳しく説明していきます。

1.台枠


構体の底面にあたる部位になります。台枠に構体の他部位や機器、内装品、乗客の重量がかかり
強度が必要な部位になり、それなりに重要な部位になります。

2.側構体


構体の側面にあたる部位で窓、出入口が付きます。

3.屋根構体


構体の屋根に相当する部位
屋根上には空調機、パンタグラフなどの機器が、屋根下には空調ダクト、天井パネルといった部品がつきます。

4.妻構体


構体の前後の部位。貫通扉が付く面や先頭車両の顔部分に相当する部位です。
「妻」って意外な単語が出てきますが建築用語からきており、住宅の棟(長手方向)に対して直角な側面の部位の事です。
これを鉄道車両に置き換えると棟=側構体になりますので、必然的にそのように呼ばれるようになりました。

・構体の材質について

構体の材質は、ステンレス(鋼)、アルミニウムに分かれており、それぞれで構体の構造が異なりますので
説明したいと思います。

1.ステンレス(鋼)


ステンレスは鉄にクロムやニッケルを添加された合金金属であり、
英語表記では”stainless steel”=”錆びない 鉄”と表記されています。
キッチンのシンクやフライパンなどで使用されている材料です。
鋼は鉄の事を指していますが、業界的には鋼と呼んでいます。
ステンレスと鋼をまとめてますが構造がほとんど同じであるからです。
ステンレス(鋼)の構体の内、側構体、屋根構体、妻構体はいわゆる骨皮構造であり、
外板の裏側に骨組となる部品が溶接されている構造です。
ステンレスは主に通勤電車で採用されています。

2.アルミニウム


1円玉硬貨やアルミホイルなどで使用されているアルミニウムは鉄道車両の構体でも使用されています。
アルミニウム製の構体はダブルスキン構造と呼ばれる事が多いです。
ダブルスキンとはアルミ押出型材の一種でその断面は二枚の外板の間にトラス状の補強が挟まれた構造になっており
段ボールの断面に似た形状になっています。そのため、材料の段階で外板と補強が一体化されているため
ステンレス(鋼)の構体のように外板と骨組を組み立てる必要がないのが特徴です。
この構造はとても強度が高いため、鉄道車両の構体でも使用されています。
現在のアルミニウム製構体はダブルスキンが多く採用されていますが
一昔前はシングルスキン構体も存在していました。
これは現在のステンレス構体のように外板の裏に補強がついている構造で内側の外板がない状態です。
アルミニウムはステンレスや鋼より軽い素材のため、高速走行する新幹線や特急車両で採用されています。

最後に

今回の車両の構造の説明は以上になります。
鉄道車両の構造をより楽しく知ってもらえる事ができたら幸いです。

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